[00]最近の景気動向と企業倒産

2014/10/30 22:35 に Matsumoto Norikazu が投稿   [ 2014/10/30 23:25 に更新しました ]
中小企業の設備投資は緩やかに上昇

 4月に消費税が増税された後、各種経済指標に注目が集まっている。
 総務省が発表する家計調査のなかで、2人以上の世帯の消費支出から世帯規模、1か月の日数、物価水準の影響を除き、2010年を100とした「消費水準指数(住居等除く)」は家計消費の面から生活水準を計る指標で、4月99.3(前年同月比▲6.5)、5月90.9(同▲6.4)、6月92.9(▲3.5)、7月91.9(同▲6.1)、8月94.0(同▲3.2)、9月93.0(同▲5.6)で、いずれの月も前年同月を下回り、東日本大震災があった2011年をも下回る水準となった。低下した項目は食料、被服、保健医療、教育など広範囲にわたっている。目下のところ、個人消費に明るい兆候は見られない。 
※2014/10/31発表の数値を追加しました。

 企業はこの現状をどのようにみているのだろうか。日本政策金融公庫が発表した全国中小企業動向調査では、7-9月の実績業況判断DIが中小企業で+3.3、小企業で▲33.4、10-12月見通しで中小企業が+5.9、小企業で▲33.8と、緩やかな回復を続ける中小企業と比べて小企業の業況見通しは厳しい。しかし、中小製造業の設備投資額は9月修正計画で前年度実績対比9.0%増加し、投資額はリーマン・ショック以降で最多となる見通しである。円安傾向の長期化が見込まれる中で海外設備投資の伸びは抑制されつつあり、国外経済の回復度合いによっては国内生産や輸出が緩やかに上昇することも期待される。

 日銀の大胆な金融緩和や機動的な財政政策によって一定の成果を挙げてきた政府は次なる成長戦略の実現に全力を注いでいる。高齢化先進国としての産業育成を始めとして、就労の効率化によって国民一人あたりの労働生産性の向上を目指している。労働者の生活を守りながら企業の収益力を強化するには、効率の高い企業に資金や労働力を集中させることや、女性・高齢者を脇役にしない全員参加型社会の構築も避けて通れない課題であろう。労働生産性の向上は賃金水準の引き上げや余暇時間の増加につながるもので、これらの変化が少子化を根本的に解消し、国民の幸福度を高める原動力となることを期待したい。

建築工事やサービス業で倒産増加

  9月の倒産件数は856件(前月比12.8%増、前年同月比1.8%増)で5か月ぶりに前年同月を上回った。業種別では「建設業」「製造業」「小売業」を除き前年同月を上回った。「建設業」の中分類では「建築工事」が60件に迫る59件(前年同月比51.3%増)と突出した伸びで、8月の減少から一転した。依然、中小建築業は人手不足や資材高騰による厳しい状況が続いており、今後の動きにも注目したい。