2013年 9月(2013年7月調査)

[00]最近の景気動向と企業倒産

2013/09/10 22:19 に Matsumoto Norikazu が投稿

景気を左右する消費税増税と米金融緩和縮小の行方

 8月の列島は、連日の猛暑・熱帯夜とゲリラ豪雨など異常気象に見舞われ、人々や地域に多大な影響をおよぼした。もちろん産業社会への影響も少なくない。盛んな人間活動によって地球温暖化が進んだ結果との指摘もある。ともあれ、技術開発と環境破壊という二律背反に、どう折り合いをつけるかは人類最大のテーマである。こんご、異常気象が恒常化しないといい切れないところが心配である。

 景気動向は、どうだろう。8月の月例経済報告は、物価動向について「デフレ状況ではなくなりつつある」としている。しかし、ただ単に物価の上昇だけでなく、雇用・所得環境の改善によって個人消費を活気づけ「良い物価上昇」につなげられるかが問題である。 

 8月の4~6月期国内総生産(GDP)速報は、物価変動の影響を除いた実質成長率で前期比年率2.6%増、名目成長率で同2.9%増と、ともに3四半期連続のプラスとなった。生活実感に近い名目成長率が実質成長率を上回ったのは、12年7~9月期以来3四半期ぶりのことである。来年4月からの消費税増税を実施するかどうかの判断材料の一つとなる。 

 7月の街角景気は、指数が4か月連続で低下した。ただ、指数は横ばいとする50を上回っているため、基調判断は「緩やかに持ち直し」としている。2~3か月先の判断指数も、前月に横ばいである。しかし、設備投資は6四半期連続のマイナス、7月消費動向調査では消費者の購買意欲を示す消費者態度指数が2か月連続で悪化した。勤労者の賃上げがなかなか進まない一方、生活必需品が徐々に値上がりしている現状を映している。このため、基調判断を「改善のテンポが緩やかになっている」と昨年11月以来の下方修正となった。いずれにしても、いくつかの指標は本格的な景気回復を告げていない。 

 日銀は、8月の金融政策決定会合で4月に導入した「量的・質的金融緩和」策の継続を決めた。年初から7か月連続で上方修正してきた景気判断は、「緩やかに回復しつつある」で据え置いた。 

 経済の実際の動きとしては、円高修正による輸出の回復と消費者心理の改善、堅調な個人消費、米景気の回復など、プラス要因をベースに緩やかな回復基調が続くとみられる。上場企業の業績拡大は顕著で、14年3月期決算予想は大幅な増収益が見込まれている。ただ、現時点では、国内の実体経済に好転の広がりがなく、景気の上向きカーブを描ききれていない。やはり勤労者が賃上げを実感し、個人消費につながるという好循環に入らないとデフレ脱却の道をたどれないだろう。カギは、成長戦略の実効性にあるが、差し当たっては政府が消費税増税に踏み切るかどうかの判断も、景気動向に大きく関わってくる。 

 外部要因では、米の4~6月期GDP(国内総生産)が前期比1.7%増を示すなど、緩やかな回復をたどっているのは、世界経済にとって心強い。企業部門では輸出や設備投資の上向き、さらに住宅市場の復調、個人消費の堅調などが背景にある。米FRB(連邦準備制度理事会)は、7月末に金融の量的緩和と政策金利実質ゼロの継続を決めたが、市場では金融の量的緩和縮小に対する警戒感がいぜん強い。それに、連邦政府が再び債務不履行(デフォルト)に陥る懸念が生じている。10月には、債務の借入枠上限額の引上げを迫られるが、民主・共和両党の折衝の行方に目が離せない。成り行きによっては、新たな景気のリスク要因となる。 

 ユーロ圏では、4~6月期の成長率プラスが報じられた。これで、一時期の切迫した危機感はやや薄らいだものの、南欧諸国が財政危機を脱したというわけではなく、なおしばらくは安定的な成長路線への回帰はかないそうにない。中国はシャドーバンキング(影の銀行)問題を抱え込み、そのほか新興国では米の量的緩和縮小によって大量の資金流出が起きるとの懸念が強まっている。中東情勢がらみでは、エネルギーや原材料の価格変動も、こんご注意深くみていかなければならない要因である。 

 7月期の倒産件数は、1,068件(前年同月比2.1%増)と9か月ぶりで増加に転じた。なかでも、負債額「5千万円未満」や従業員数「4人以下」での倒産増が目立つ。負債額は1,997億9,700万円と前年比72.4%の大幅減となった。7月の負債額としては過去23年間の最小である。負債額の大幅減は、前年同月に貸金業「(株)クラヴィス」(負債3,268億8,700万円)、海運業の「三光汽船(株)」(同1,558億7,400万円)2件の大型倒産のほか、負債額「100億円以上」の大型倒産4件が発生したことによる反動である。 

 7月は、負債額「100億円以上」の大型倒産として、東京の建物売買業「京都駅南開発特定目的会社」(同204億円)、東京のゴルフ場「(株)利根ゴルフ倶楽部」(同187億円)、東京の船舶貸渡業「(株)テクノ・シーウェイズ」(同150億円)の3件が発したが、その一方で、負債額「1億円未満」の小規模倒産は前年比5.8%増の771件にまで増え、構成比は前年を2.5ポイント上回る72.2%を占めた。 

 負債額「1千万円以上」の倒産件数は1,025件(同0.1%減)と7か月連続の減少、しかも過去20年間の最小を記録した。負債額は1,995億6,300万円(同72.4%減)である。

[01]7月の主な動き

2013/08/23 6:23 に Matsumoto Norikazu が投稿

(1)小規模企業の倒産構成比が89.0%に上昇 
 小規模企業(商業・サービス業は従業員5人以下、製造業・その他は同20人以下)の倒産件数は951件(前年同月比39.0%増)、構成比は前年を23.6ポイント上回る89.0%となった。 

(2)負債額「5千万円未満」、従業員「4人以下」などの小規模倒産が増加
 負債額「5千万円未満」の倒産件数は575件(同8.5%増)、構成比は前年を3.1ポイント上回る53.8%、また従業員数「4人以下」の件数は737件(同56.5%増)、構成比は前年を24.0ポイント上回る69.0%となった。 

(3)法的倒産の構成比は過去最高の86.6%
 原因別では「他社倒産の余波」が72件(同38.5%増)で、1年2か月ぶりの70件超となった。形態別では、「破産」「再生手続」「特別清算」など法的倒産が925件(同5.1%増)、構成比は前年を2.5ポイント上回る過去最高の86.6%となった。

(4)東日本大震災関連の倒産は28件
 東京商工リサーチの発表によれば、東日本大震災関連の倒産は28件と、15か月連続で前年同月を下回った。金融円滑化法に基づく貸付条件変更後の倒産は43件である。


[02]負債規模別の動向

2013/08/23 6:23 に Matsumoto Norikazu が投稿

~倒産件数は前年比で9か月ぶりの増加~ 

 7月期の倒産件数は1,068件(前年同月比2.1%増)と、前年比で9か月ぶりに増加に転じた。負債額「5千万円未満」の倒産が575件(同8.5%増)、構成比が前年を3.1ポイント上回る53.8%に上昇したためである。負債額「1千万円以上」の集計では、前年比0.1%の微減であった。

 区分ごとの動向では、「1千万円以上5千万円未満」が532件(同4.3%増)と1年2か月ぶりに増加に転じたのをはじめ、「1千万円未満」43件(同115.0%増)、「10億円以上100億円未満」22件(同15.8%増)の2区分も前年に比べて増加、そのほか「5千万円以上1億円未満」196件(同1.5%減)、「1億円以上5億円未満」241件(同4.7%減)、「5億円以上10億円未満」31件(同20.5%減)、「100億円以上」3件(同50.0%減)の4区分は減少した。 
「1,000万円未満」の倒産件数が40件を越えたのは2012年5月以来。

 負債額も、「1千万円未満」2億3,400万円(同196.2%増)、「1千万円以上5千万円未満」108億4,100万円(同4.8%増)、「10億円以上100億円未満」512億9,000万円(同12.1%増)の3区分が増加、そのほか「5千万円以上1億円未満」130億9,600万円(同2.5%減)、「1億円以上5億円未満」491億8,000万円(同12.0%減)、「5億円以上10億円未満」210億5,600万円(同15.9%減)、「100億円以上」541億円(同90.6%減)の4区分は減少した。

 負債額100億円以上の大型倒産は京都駅南開発特定目的会社(負債額204億円、建物売買業、特別清算、東京都)、(株)利根ゴルフ倶楽部(負債額187億円、ゴルフ場、破産、東京都)、(株)テクノ・シーウェイズ(負債額150億円、船舶貸渡業、破産、東京都)の3社。

[03]業種別の動向

2013/08/23 6:22 に Matsumoto Norikazu が投稿

~「小売業」が5か月ぶりの前年比増~ 

 負債額「1千万円以上」の動向は、「建設業」が234件(前年同月比9.7%減)と12年3月以降1年5か月連続で前年比減となったほか、「飲食業」60件(同7.7%減)、「その他」70件(同27.8%減)も減少した。一方、「小売業」が154件(同28.3%増)と5か月ぶりに増加に転じたのをはじめ、「卸売業」152件(同4.1%増)、「サービス業」210件(同8.2%増)の2区分も増加した。「製造業」は145件の横ばいである。

 中分類での動向をみると、 「卸売業」では「建築材料家具建具」19件が前年同月比38.7%減となる一方、「機械器具」41件が同36.7%増となったことで卸売業全体の件数を押し上げた。「小売業」では「飲食業品」42件が同121.1%増となったほか「自動車・自転車」17件が同54.5%増となるなど、生活用品関連での増加が目立った。「サービス業」では「企業関連」88件の同11.4%増、「情報関連」42件の31.3%増などが増加を牽引した。

 前年に比べた構成比は、「建設業」(25.2%→22.8%)、「飲食業」(6.3%→5.9%)、「その他」(9.5%→6.8%)の3区分が低下、「卸売業」(14.2%→14.8%)、「小売業」(11.7%→15.0%)、「サービス業」(18.9%→20.5%)の3区分は上昇した。「製造業」は14.1%の横ばいである。

 業種別倒産件数と倒産原因別件数をクロス集計すると、前年同月比が増加した「卸売業」「小売業」「サービス業」で「販売不振」が増加している。また、各業種ごとに「不況型倒産」の構成比をみると、全業種の81.7%と比べて「建設業」では7.2ポイント上回る88.9%、「製造業」では3.1ポイント下回る78.6%という結果となった。
「販売不振」「既往のシワ寄せ」「売掛金回収難」の合計

 負債額は、「建設業」266億7,300万円(同22.7%減)、「製造業」323億3,400万円(同44.6%減)、「サービス業」484億2,500万円(同39.9%減)、「その他」466億8,600万円(同91.1%減)の4区分が前年比で減少、「卸売業」218億2,300万円(同23.9%増)、「小売業」197億7,100万円(同153.2%増)、「飲食業」38億5,100万円(同92.1%増)の3業種は増加した。

  負債額「1千万円未満」の件数・負債額は、「卸売業」の件数横ばいを除くそのほか区分はすべて前年比で増加した。「建設業」が12件(同140.0%増)、6,600万円(同247.4%増)、「製造業」が3件(同50.0%増)、2,200万円(同214.3%増)、「卸売業」が3件(同横ばい)、1,500万円(同36.4%増)、「小売業」が10件(同100.0%増)、7,000万円(同288.9%増)、「飲食業」が2件(同100.0%増)、1,400万円(同600.0%増)、「サービス業」が11件(同266.7%増)、3,400万円(同88.9%増)、「その他」が2件(同100.0%増)、1,300万円(同225.0%増)である。



[04]原因別の動向

2013/08/23 6:22 に Matsumoto Norikazu が投稿

~「既往のシワ寄せ」が1年1か月ぶりの前年比減~ 

 負債額「1千万円以上」の倒産件数では、「販売不振」が728件(前年同月比0.1%増)と微増ながら9か月ぶりに増加に転じたのが目立つ。「他社倒産の余波」は72件(同38.5%増)と大幅に増加、「その他」30件(同36.4%増)も増加した。一方、12年7月以来、前年比で増加基調をたどってきた「既往のシワ寄せ」は、107件(同7.8%減)と1年1か月ぶりで減少に転じた。このほか「放漫経営」51件(同7.3%減)、「過少資本」35件(同32.7%減)の2区分も減少した。「売掛金回収難」は2件で横ばい。

 前年に比べた構成比は、「販売不振」(70.9%→71.0%)、「他社倒産の余波」(5.1%→7.0%)、「その他」(2.1%→2.9%)の3区分が上昇、「放漫経営」(5.4%→5.0%)、「過少資本」(5.1%→3.4%)、「既往のシワ寄せ」(11.3%→10.4%)の3区分は低下、「売掛金回収難」は0.2%の横ばいである。「販売不振」「既往のシワ寄せ」「売掛金回収難」を合計した「不況型倒産」は、前年比0.9%減の837件(負債額「1千万円未満」を含め868件)、構成比は前年を0.7ポイント下回る81.7%(同81.3%)である。

 負債額は、「販売不振」1,009億4,600万円(同58.8%減)、「放漫経営」453億5,700万円(同87.4%減)、「過少資本」36億5,800万円(同44.4%減)、「既往のシワ寄せ」241億1,700万円(同69.9%減)、「その他」79億3,300万円(同66.3%減)の5区分が前年比で減少、「他社倒産の余波」173億円(同98.3%増)、「売掛金回収難」2億5,200万円(同0.8%増)の2区分は増加した。

  負債額「1千万円未満」の件数・負債額は、「販売不振」が31件(同210.0%増)、1億6,100万円(同419.4%増)、「放漫経営」が6件(同200.0%増)、4,500万円(同221.4%増)、「他社倒産の余波」が5件(同25.0%増)、2,000万円(同81.8%増)、「過少資本」が1件(同50.0%減)、800万円(同33.3%減)である。

[05]従業員規模別の動向

2013/08/23 6:21 に Matsumoto Norikazu が投稿

~「9人以下」の小規模倒産が前年同月比40.4%増の866件~ 

 負債額「1千万円以上」の倒産件数は、「4人以下」が695件(前年同月比52.1%増)と12年7月以降13か月連続の増加となったのをはじめ、「5人以上9人以下」171件(同6.9%増)、「10人以上20人以下」134件(同3.1% 増)の2区分も増加、そのほか「30人以上99人以下」22件(同24.1%減)、「100人以上299人以下」1件(同80.0%減)、「不明」2件(同99.2%減)などは減少した。

 「4人以下」の区分で著しく倒産が増加しているのは、調査時点で従業員数が確認できない場合について、他の資料等から追加調査を実施している関係で、従来「不明」とされていた倒産について比較的少人数の区分へ移動している。しかしながら、構成比の動向をみると、「不明」(23.8%→0.2%)が前年同月比23.6ポイント低下したのに対し、「4人以下」(44.5%→67.8%)が同23.3ポイント上昇、「5人以上9人以下」(15.6%→16.7%)が1.1ポイント上昇、「10人以上29人以下」(12.7%→13.1%)が0.4ポイントの上昇となっている。29人以下の区分の構成比は追加調査の影響以上の上昇がみられる。その他、「30人以上99人以下」 (2.8%→2.1%)、「100人以上299人以下」(0.5%→0.1%)、「300人以上」(0.1%→0.0%)、「不明」の4区分は低下した。「9人以下」の小規模倒産は、前年同月比40.4%増の866件(負債額「1千万円未満」を含め909件)、構成比は前年を24.4ポイント上回る84.5%(同85.1%)である。

 負債額は、「4人以下」が1,071億2,100万円(同142.7%)と前年比で大幅に増加した。負債額「100億円以上」の大型倒産「京都駅南開発特定目的会社」「利根ゴルフ倶楽部」「テクノ・シーウェイズ」3件が、この区分に集中したことによる。大型倒産3件の負債額541億円は、「4人以下」負債額の50.5%を占める。「10人以上29人以下」405億8,400万円(同0.3%増)も増加した。そのほか「5人以上9人以下」213億3,800万円(同47.7%減)、「30人以上99人以下」274億9,500万円(同57.9%減)、「100人以上299人以下」30億円(同98.2%減)、「不明」2,500万円(同99.9%減)などは減少した。

 負債額「1千万円未満」の件数・負債額は、「4人以下」が42件(同200.0%増)、2億3,000万円(同303.5%増)、「5人以上9人以下」が1件、400万円である。

[06]資本金規模別の動向

2013/08/23 6:21 に Matsumoto Norikazu が投稿

~「個人」件数は前年比で12か月連続の減少~ 

 負債額「1千万円以上」の倒産件数は、「個人」が138件(前年同月比22.9%減)と前年比で12か月連続の減少、資本金「1千万円以上5千万円未満」が396件(同8.5%減)と9か月連続の減少だった半面、同「1千万円未満」450件(同18.7%増)と同「5千万円以上1億円未満」33件(同43.5%増)の2区分が増加、明暗を分けた。同「1億円以上5億円未満」は7件で前年に横ばい、同「5億円以上10億円未満」は1件に止まった。 

 「個人」を除き「1,000万円未満」の450件は2011年3月(465件)以来の高水準であり、「1,000万円以上5,000万円未満」の396件は前年同月比こそ8.5%減少しているものの直近6か月の平均(386件)を越えてきている。「5,000万円以上1億円未満」の33件も2013年4月以降の減少傾向から反転しており資本金1億円未満の倒産動向には注意が必要である。

 前年に比べた構成比は、「個人」(17.4%→13.5%)、同「1千万円以上5千万円未満」(42.2%→38.6%)、同「10億円以上」(0.5%→0.0%)の3区分が低下、同「1千万円未満」(36.9%→43.9%)、同「5千万円以上1億円未満」(2.2%→3.2%)、同「5億円以上10億円未満」(0.0%→0.1%)の3区分は上昇した。同「1億円以上5億円未満」は0.7%の横ばい。

 「個人」と同「1億円未満」の倒産件数は、前年同月比0.3%増の1,017件、(負債額「1千万円未満」を含め1,060件)、構成比は前年を0.4ポイント上回る99.2%(同99.3%)である。

 負債額は、同「1千万円以上5千万円未満」1,064億9,400万円(同16.2%減)を除き、そのほか「個人」250億4,600万円(同28.6%増)、同「1千万円未満」268億1,200万円(同9.0%増)、同「5千万円以上1億円未満」238億4,300万円(同18.0%増)、同「1億円以上5億円未満」173億1,800万円(同22.7%増)など、いずれも前年比で増加した。

 負債額「1千万円未満」の件数・負債額は、「個人」が6件(同200.0%増)、4,000万円(同185.7%増)、資本金「1千万円未満」が37件(同105.6%増)、1億9,400万円(同198.5%増)である。

[07]営業年数別の動向

2013/08/23 6:21 に Matsumoto Norikazu が投稿

~「不明」は前年比で12年8月以降12か月連続の減少~ 

 負債額「1千万円以上」の倒産件数は、「2年以上6年未満」100件(前年同月比14.9%増)、「6年以上10年未満」122件(同19.6%増)、「10年以上20年未満」220件(同8.9%増)、「30年以上」273件(同3.4%増)の4区分が前年比で増加、「2年未満」12件(同14.3%減)、「20年以上30年未満」206件(同5.5%減)、「不明」92件(同33.8%減)の3区分は減少した。「不明」は12年8月以降12か月連続の減少である。 
「2年以上6年未満」は2012年5月(102件)以来の3桁台。「20年以上30年未満」も前年同月比こそ5.5%の減少であるが、前月からは32.1%の増加で200件を越えており、「不明」を除き、全体的にやや高い水準となっている。

 前年に比べた構成比は、「2年未満」(1.4%→1.2%)、「20年以上30年未満」(21.2%→20.1%)、「不明」(13.5%→9.0%)の3区分が低下、「2年以上6年未満」(8.5%→9.8%)、「6年以上10年未満」(9.9%→11.9%)、「10年以上20年未満」(19.7%→21.5%)、「30年以上」(25.7%→26.6%)の4区分は上昇した。

 負債額は、大型倒産「京都駅南開発特定目的会社」(負債額204億円)を含む「6年以上10年未満」が312億5,100万円(同31.6%増)、同「テクノ・シーウェイブ」(同150億円)を含む「10年以上20年未満」が342億1,200万円(同9.5%増)、そのほか「2年未満」が16億3,100万円(同359.4%増)、「2年以上6年未満」が86億600万円(同91.8%増)と、それぞれ前年比で増加した。一方、減少グループでは、「30年以上」で大型倒産「利根ゴルフ倶楽部」の負債を抱えたものの899億1,600万円(同84.5%減)と前年比減となったほか、「20年以上30年未満」321億7,900万円(同60.1%減)、「不明」17億6,800万円(同38.9%減)の2区分も減少した。

 負債額「1千万円未満」の件数・負債額は、「2年未満」が2件、1,800万円、「2年以上6年未満」が4件(同20.0%減)、3,000万円(同130.8%増)、「6年以上10年未満」が5件(同横ばい)、1,700万円(同15.0%減)、「10年以上20年未満」が13件(同333.3%増)、5,700万円(同235.3%増)、「20年以上30年未満」が10件(同233.3%増)、5,300万円(同307.7%増)、「30年以上」が5件(同150.0%増)、3,100万円(同1450.0%増)、「不明」が4件(同100.0%増)、2.800万円(同100.0%増)である。

[08]倒産形態別の動向

2013/08/23 6:20 に Matsumoto Norikazu が投稿

~法的倒産の破産シェアは94.2%~ 

 負債額「1千万円以上」の倒産件数は、「銀行取引停止」128件(前年同月比16.9%減)が前年比で9か月連続の減少、「再生手続」28件(同39.1%減)も同じく10か月連続で減少した。そのほか「破産」832件(同4.0%増)が6か月ぶりに増加に転じたのをはじめ、「特別清算」23件(同76.9%増)、「その他」14件(同27.3%増)の3区分は増加した。

 前年に比べた構成比は、「銀行取引停止」(15.0%→12.5%)、「再生手続」(4.5%→2.7%)、「会社更生法」(0.2%→0.0%)の3区分が低下、「破産」(78.0%→81.2%)、「特別清算」(1.3%→2.2%)、「その他」(1.1%→1.4%)の3区分は上昇した。「破産」「再生手続」「特別清算」などの法的倒産は、前年比2.6%増の883件(負債額「1千万円未満」を含め925件)、構成比は前年を2.2ポイント上回る86.1%(同86.6%)である。また法的倒産に占める破産シェアは、前年を1.3ポイント上回る94.2%である。

 負債額は、「京都駅南開発特定目的会社」の負債を含む「特別清算」が398億6,700万円(前年同月比651.5%増)と前年比で増加したのを除き、ほかは「銀行取引停止」240億7,800万円(同30.9%減)、「破産」1,115億3,000万円(同73.5%減)、「再生手続」228億5,900万円(同77.4%減)、「その他」12億2,900万円(同28.4%減)などが減少した。

 負債額「1千万円未満」の件数・負債額は、「銀行取引停止」が1件(同横ばい)、900万円(同800.0%増)、「破産」が42件(同121.1%増)、2億2,500万円(同188.5%増)である。

[09]倒産原因・営業年数別の動向

2013/08/23 6:20 に Matsumoto Norikazu が投稿

~「放漫経営」負債額では各区分の変動幅が突出~ 

負債額1千万円以上の営業年数別件数と倒産原因別件数のクロス集計をみると、件数は全49区分のうち増加が21区分、減少が19区分、横ばいが9区分、負債額は増加が15区分、減少が28区分、横ばいが6区分である。

営業年数別の件数で前年同月を14.9%上回った「2年以上6年未満」では「他社倒産の余波」の前年比12件増(300.0%増)が大きな増加要因となったのに対し、「6年以上10年未満」では「販売不振」同16件増(21.9%増)が、「10年以上20年未満」では「既往のシワ寄せ」同9件増(50.0%増)が増加要因となった。

 「販売不振」「既往のシワ寄せ」「売掛金回収難」を合計した「不況型倒産」の前年比増加率が最も高いのは「6年以上10年未満」(前年比27.5%増)、最も低いのは「2年未満」(同40.0%減)であった。また、「不況型倒産」の構成比が最も高いのは「不明」(同89.1%)、次いで「30年以上」(88.3%)、「6年以上10年未満」(83.6%)の順で、業暦が6年以上の区分で高い傾向がみられた。

 前年に比べ比較的変動幅の大きかった区分は、「放漫経営」の「6年以上10年未満」8件(前年同月比166.7%増)、「他社倒産の余波」の「2年以上6年未満」16件(同300.0%増)、「その他」の「20年以上30年未満」10件(同150.0%増)などである。

 負債額では、「販売不振」の「2年未満」3億6,400万円(同137.9%増)の増加が目立つ。一方、「30年以上」の区分では、負債額「100億円以上」の大型倒産で「利根ゴルフ倶楽部」が発生したものの、前年、負債額「1000億円以上」で「三光汽船」の大型倒産が発生した反動で減少に転じた。

 「放漫経営」では、「2年未満」5億4,600万円(同351.2%増)、「2年以上6年未満」26億2,800万円(同165.7%増)、「6年以上10年未満」225億2,200万円(同22199.0%増)、「10年以上20年未満」165億4,600万円(同894.4%増)、「20年以上30年未満」4億1,600万円(同96.7%減)、「30年以上」26億5,900万円(同99.2%減)、「不明」4,000万円(同92.4%減)と、すべての区分が大きく変動した。

 「他社倒産の余波」でも、「2年未満」6億8,400万円(同6118.2%増)、「2年以上6年未満」34億円(同834.1%増)、「20年以上30年未満」91億6,400万円(同914.8%増)などが増加している。

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