[00]最近の景気動向と企業倒産

2012/09/18 19:16 に Matsumoto Norikazu が投稿   [ 2012/09/18 19:16 に更新しました ]

景気は緩やかな回復の半面一部に弱い動き

 景気動向は、緩やかな回復と欧州危機や新興国の成長鈍化による下押し圧力の間で、一進一退が続いている。

 内閣府の4~6月期GDP(国内総生産)第2次速報値は、実質で前期比0.2%増、年率換算で0.7%増と4四半期連続のプラス成長だった。プラスには、東日本大震災の復興需要が寄与しているが、一方、エコカー補助金などで堅調だった個人消費に陰りがみられる、欧州の債務危機に収束の見通しがつかない、いぜん円高が続くなどで伸び率は鈍ってきた。とくに、ユーロ圏の4~6月期GDPがマイナスであったことに加え、米や中国など新興国の景気減速で世界経済は下ぶれの懸念が強い。海外経済が減速すれば、日本の輸出産業は影響を免れない。8月の月例経済報告は、景気判断を「緩やかに回復しつつある」との認識を維持しながらも、「一部に弱い動きがみられる」として10か月ぶりに下方修正した。

 日銀は8月の金融政策決定会合で、政策金利は実質ゼロ、金融緩和は国債など資産買入れ基金70兆円の積み増しを維持するとして、追加の金融緩和見送りを決めた。しかし、国内は復興需要が軌道に乗っているものの、輸出減や企業の生産活動が弱含むなど変調の兆しがうかがわれると警戒感を緩めない。つまり、堅調な内需に対する世界経済の下ぶれリスクという構図である。7月の貿易統計は、これを端的に物語っている。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は5,174億円の赤字と、7月としては1979年以降で最大の赤字幅を記録した。輸出減の一方、火力発電用のLNG(液化天然ガス)の輸入増が響いている。この基調は、にわかに変わりそうにない。

 IMF(国際通貨基金)は8月、世界全体の2012年度GDPについて、成長率予測を3.5%に下方修正した。背景に、欧州の債務危機が世界経済の回復力を一段と弱めているとの判断がある。日本の成長率については、震災の復興需要が堅調だったとして上方修正している。

 欧州を除く海外動向で気がかりなのは、中国の7月主要統計が景気減速を鮮明にしている点だ。指標は、企業の生産活動鈍化と消費・投資関連の伸び悩みを示している。そのため中国政府は、公共事業を増やすなど景気テコ入れ姿勢を打ち出している。

 異常気象の余波も見逃せない。米国が過去50年間で最悪といわれる干ばつに見舞われ、トウモロコシや大豆などの穀物価格が高騰している。こんご世界経済にどのような影響を与えるのか、一つの注目点である。

 7月の倒産件数は1,046件(前年同月比7.5%減)で、7月としては平成18年の1,051件以来の低水準である。負債額は7,241億7,900万円(同227.4%増)と今年最大を記録した。負債額の膨らみは、負債額「100億円以上」の大型倒産が6件発生したことによる。消費者向け貸金業「(株)クラヴィス」(負債3,268億8,700万円)、外航貨物海運業「三光汽船(株)」(同1,558億7,400万円)」のほか、ゴルフ場「(株)富士スタジアムゴルフ倶楽部」(同430億円)、工業用ゴム製品製造業「ポリマテック(株)」(同203億7,900万円)、実業団体「全国小売酒販組合中央会」(同150億円)、純粋持株会社「(株)塩見ホールディングス」(同125億1,300万円)で、6件の負債総額は5,736億5,300万円に達した。負債額全体の79.2%を占める。